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でも、僕の母は平民出身で、恋愛結婚なんだ」
「それは、素敵ですね」
「そうだね。ねぇ、ルル」
「はい」
「僕と結婚を前提にお付き合いしてください」
「・・・・・・」
待て、落ち着こう。取り敢えず、落ち着こう。
深呼吸して。
こういう時はお茶を一口飲むと言いとお嬢様が言っていた。
うん、飲んだ。
・・・・・・・落ち着かない。
体温が一気に急上昇した。
何これ。高熱出して死にそう。
「えっと、あの」
「ダメ、かな?」
きゅんと捨てられた子犬に見えました。
「・・・・・・お願いします」
気がつけばそう言ってしまっていた。
パッと花が咲いたようにクリス様は笑った。
「良かったじゃなぇか、坊ちゃん」
実は周りも聞いていたようでお店の中が一気にお祝いモードだ。
まぁ、近くでミリアーノ嬢があれだけ騒いだ後だから注目されていたのは仕方のないことだ。
テクテクと厨房の奥から出て来たグエン様がホールのケーキを持って来てくれた。
「おめでとう」
「ありがとう、グエン」
なんだか流されてしまった気もするけれどクリス様となら良い関係が築けそうなので問題はないだろう。
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