第1章

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養育費だってバカにならない。それに比べたら月に貰うアルバイト代などはした金も良いところだ。 でもそれをこの女は悪意を持って歪める。 周囲の目も好奇心から侮蔑に変わるのが分かる。 私が何をした?正当な要求をして何が悪い。 柚利愛が生まれてから本当に上手く行かないことばかり。 あんな子、生むんじゃなかった。 第?章 7  「ちょっと、何で服が乾いてないのよ!」  帰って早々昨日の夜干した服が乾いていないことに母は怒りを露わにした。  「天気があまり良くなくて乾かなかった」  今日は曇りで、太陽は一度も顔を出さなかった。  「あんたの干し方が悪いんでしょ!」  ここ最近、由利の機嫌も悪いが母の機嫌も悪い。  そんな母を見て父はそそくさと自分の部屋に避難する。  君子危うきに近寄らず。  全くだ。  「何とかしなさいよ!これ、明日着ていくんだからね」  そう言って母はハンガーに干してある服を取って私に投げつけて来た。  「・・・・・はい」  火に油は注ぎたくないので私は反論をしなかった。  何とかしてと言われても魔法が使えるわけではないのでパパッと乾かすことはできない。  壁時計を見て時間を確認すると夜二一を回っていた。  歩いて二〇分程度の所に二四時間開いているコインランドリーがあるので私は服を適当な紙袋に入れて外に出た。  まだ寒くなる気候ではないが暦の上では秋だ。そのせいか外は蒸し暑さもなく丁度いい空気が肌に纏わりついた。  ニュースでは「残暑が」とか言っていたりもするが地球温暖化の影響か、気温は定着せず、冬の寒さが来たかと思えば、急に真夏日和に戻ったりもするので着ていく服に困る。  紙袋の中に入っている服も半袖と長袖両方が入っていた。 ◇◇◇  「あれ?珍しい所で合うね」  「・・・・・東雲さん」  見た目のせいかコインランドリーが似合わない。  私はちょうど乾燥を終えた服を紙袋に中に入れ終わり帰ろうとしているところだった。  東雲さんはコンビニ袋を右手に下げ、左手には空っぽの紙袋があったので乾燥を終えた服を取りに来たのだろう。  「女の子がこんな時間に一人で出歩くなんて危ないよ。特に君は美人だから」  そう言って東雲さんはウィンクをする。  キザさはなく、寧ろ様になっていた。  「そうですね。もう直ぐ早く来るべきでした」
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