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靴を履いた猫
とある休日の午後
閑散としたアーケード街の一角にある古びたペットショップに母と娘の二人連れがやってた。
ちりんという鈴の音がなり、女の子が猫のショーケースの前に走り出す。
きょろきょろとケースも見まわし、あっちに行ったりこっちに行ったり、高いところはたまに母親に抱えられてショーケースの中の猫を見回している。
「里穂。どの仔にする?」
「えーっとね。」
里穂と呼ばれた娘は、そう広くはない店内を駆け回り悩んでいるようだ。
「いらっしゃいませ。何かお探しですか」
悩んでいる親子に老店主の男が声をかけて来た。精悍だがとても優しそうなお爺さんだ。
「ええ、娘の7つ祝いに猫を飼いたいと思いまして。さっきからあの娘悩んじゃって。」
尋ねられえた母親は、老店主に微笑みながらそう返す。
ほぅっと一声を挙げた店主は、里穂のほうに向かい声をかける。
「お嬢ちゃん。猫探しているんだって?」
「うん。でもね。みんなかわいいの。だからね。決められないの。」
「そうかい。うーん、だったらこの猫なんかどうだい?こっちに来てごらん。」
そう言って店主は、猫のコーナーの端のほうに、里穂を案内した。
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