消失の春
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馬鹿な私は教室に入るなり友人を呼び出して、今朝の夢の顛末をそのまま話しました。弟さんの言葉に涙した友人は何の疑いもなくピルケースを受け取りました。思い返せば身内が死んでまだ一ヶ月と少し、十歳という夢見がちな年頃も相まって、その不幸は起こってしまったのでしょう。 血相を変えたその子の両親が家に怒鳴り込んできたのは、その晩のことでした。
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