消失の春

9/20
前へ
/20ページ
次へ
 正直に言うとその頃から、私は彼に惹かれ始めていました。けれどそれは身を焦がすような恋ではなく、ある種の仲間意識に近いものがありました。ですから、その後彼がカオリに告白して無事付き合うことになった時にも、穏やかな気持ちで受け入れることが出来たのです。  彼が私と同じ闇を持っているならば、同じ光に惹き付けられるのは当然のことでした。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加