わたしは迷子の子猫

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 カラスはその尖ったくちばしでわたしからパンをしゅっと素早く奪い羽を広げて飛んでいってしまった。  カラスは飛び立つ前にちらっとわたしの方を見た。馬鹿な猫だと笑っているような表情をしていた。  「く、悔しい~」  猫なのに爪もあるのに、だけどわたしはまだ子猫で無力だ。  悔しくて悲しい。お母さん、わたし生きていけないかもしれないよ。  お母さんに再会できなかったらどうしよう。  カラスに完敗してミャーミャー鳴きながら歩いた。
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