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お気に入りの賑やかな楽曲が静かな寝室に響く。
完全に遮光された部屋で真知子はそれを嫌がるように音源の反対側に寝返りを打ち、掛け布団で頭を隠す。
先方の意志は固いらしく、スマホから流れる曲は途切れることなくサビに入っていく。
『ん・・もう・・誰?』
根負けした真知子は体をそのままにもぞもぞと手を伸ばし、ベッドの枕元にある棚を探った。
暗がりに光る画面には亜紀の名前が記されている。
寝惚け眼(まなこ)の真知子は狙いを定めて人差し指で受話を押した。
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