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『もうすぐタイムリミットなのかもしれない・・』
前世の記憶と自我の消滅が人として戻れなくなる時だろうと研次は悟った。
『このままゴキブリとして俺は終わるのか・・』
最早涙を流すこともできないがその心は咽び泣いていた。
こんな状況だからか、思考は後悔と懺悔を繰返し、今では迷惑をかけたすべての人々に詫びたいほど自責の念に駆られている。
―自分の利益しか考えずに他者を踏み躙り、己の欲望のまま、それを満たすが為にのみ生きる―
研次は自分の前世における生き方に初めて疑問を持った。
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