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たまちゃんの言う「面白いもの」とは、一体なんだろう。
電車に揺られて帰っている間、岡田家でありそうな「面白いもの」を想像してみた。でも、面白そうな場面は思いつかない。
それよりも、仕事中のお義父さんが、能天気に1時過ぎに帰る僕に驚く方が、安易に想像できる。
岡田花店に辿り着くのを極力遅くする為に、途中のケーキ屋でシュークリームを買って、その隣のおもちゃ屋で暁人のためのオモチャを買った。
それでも僕が家にたどり着いたのはあと少しで2時になる頃だった。
「ただいま帰りました……」
「あれお帰り。今日は早い日かね」
店先に居たのはお義母さん。
お義父さんは……配達かな。
店に隣接する玄関から入ると、ちょうどたまちゃんが暁人を抱いて部屋から出てきた所だった。
ただいまを言おうとした僕に、たまちゃんは「シーッ」とジェスチャーをした。
腕の中の暁人は起きている。なのに静かにしろとは、どういうことだ？
僕はよく分からないまま、笑顔で手招きをするたまちゃんの後に続いた。
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