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「何で?」
「……意地悪する人には、言いたくない。私がまだ倉木くんの事好きって分かってて、それなのに私の目の前で他の女の子デートに誘うような人、大っ嫌い!」
知ってて誘ってたんだ。
知らなかった。
そんな人だと思わなかった。
よそう。
私は幼かった。
勝手に恋に恋していただけ。
もう……。
嫌いになる。
これからは、新しい恋。
明日から?
今夜から?
もしかしたらどこかで既に始まっているかもしれない。
その新しい恋に期待しよう。
もう、彼みたいなのには引っ掛からない。
私の中に生まれた、断固たる決心。
それをバカにしたようにクスクスと笑いだす彼。
何がそんなに可笑しいというのか。
「何だよそれ。教えないって言っておいて、今言っちゃったじゃん。本当にあんた阿保だな」
私の頭に触れようと伸ばしてきた彼の手を払う。
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