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「もういいっ!嫌いになるからいいの!もう話し掛けないで。倉木くんなんか……嫌い」
「俺が……あんたの事、好きになったとしても?」
そんな言葉にはもう騙されない。
「知らないっ!もう話し掛けないで」
それでもまだ私に触れようとする彼の指。
それを払う私の手。
「……嫌い」
溢れた言葉は塩味。
「……ごめんって。ちょっと意地悪しすぎた。俺の事まだ好きか試したくて。なのに他の子デート誘っても表情一つ変えないから……つい。……な?ごめん」
今度は涙に手を伸ばそうとする。
「勝手に誰とでもデートしちゃえ、バカ」
その手をまたも振り払う。
「バカって……あんた口悪いな」
自分の事は棚に上げてそんな事平気で言ってくるな。
「とにかく触らないで。もう本当に嫌いになるから、いい」
「……本気で言ってんの?それ」
「本当に本気だから放っておいて」
「あんたさ、実は物凄い頑固だよな」
「……別に、倉木くんには関係無いでしょ?」
「大人しそうでいて実は根性あるし。物静かそうに見えて実はよく笑うし、あどけない顔してるのに実はおじさんキラーだし」
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