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「……何よ、そのおじさんキラーって」
「知らん?おじさん連中にお前人気なの」
「へえ。じゃあ、どこかのイケオジに拾ってもらうからどうぞご心配なく、倉木くんは誰とでもデートをお楽しみ下さい」
「ほんと、頑固。なあ、ほら。せっかく桜の木だって花咲かせてるんだし、な?機嫌直せって」
「何よそれ」
「知らん?俺達初めて会ったのも桜の木の下だったんだぜ?」
……。
そう。
初めて会った日は桜が八分咲きで……。
って。
「うそ……」
「いや、本当だって」
「違う、そうじゃなくて……。初めて会った日の事、覚えてるの?」
「知らなかったか?桜の木の下であんた俺のプリント拾ってくれてたの。あんた必死に風で逃げてくプリント追い駆けて。おもしれー奴って思った」
「ひっどい。困ってると思って必死だったのに!」
やっぱり意地悪だ。
「あんた告白してきた時、あーあの時の奴だってすぐ分かった」
「もういい。嫌いになったからその話しないで。私の黒歴史なんか聞きたくない」
私は拗ねて顔を背けた。
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