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「やだ。絶っっ対に認めない。てか、ホントもう嫌いだし」
「あっそ……じゃあ、分かった。良んだな?マジで濃い目のするかんな。俺別に他の奴らに見られても平気だから、困んのあんたの方だと思うけど」
無表情に彼が私の肩をぐいっと強い力で押し倒そうとする。
「きゃっ」
その手に、これ以上倒れないようにとしがみついた。
「ちょ、ちょっと待っ……」
やめる気配なんてその目からは微塵も感じられない。
「分かった、分かったから!認める。認めれば良いんでしょ?」
投げやり半分に叫ぶ。
「その言い方じゃダメ。目、見て倉木くんのことが好きですって言って。あの時みたいに可愛く」
「やっ、分かった!分かったからまずはこの手を離して!」
漸く彼の腕の力が緩む。
私は少し乱れた呼吸と共にカーディガンも整えた。
辺りはまだ人が少なくて、でも同じく桜の木の下で場所取りしている数組には確実に見られていた。
……恥ずかしい。
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