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「で?」
「……」
言いたくない。
のに。
彼が催促するように私の顔をニヤニヤしながら覗き込んで来る。
何よこの仕打ち。
今なら本当に心底嫌いになれそうな気がしてきた。
「私も言うけど、先に倉木くんの本心聞かせてくれなきゃ言わない。そうやっておちょくってるけど、私の事、本当はどう思ってるの?」
「だからさっきから言ってるだろ?好きになったって」
「ウソ!だったらもっと私にだけ特別優しくするはずじゃない!なのに倉木くん、いつも私にだけ意地悪じゃん!」
「……あのなあ。お前知らないのか?好きになった子はいじめても良いんだって特別ルール」
「っ知らない!何よその下らないルール」
そんな勝手なマイルール突き付けてこないでよ、と軽く苛立つ。
「でも嫌。倉木くん釣った魚には餌くれなさそうだもん」
「俺、実は尽くすタイプだってのも知らない?」
「知らない……どうやって尽くすのよ」
「まずは、そうだな。あ、下ネタだけど、ここで言って良い?」
「バッカじゃないの!?それなら聞かない!」
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