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「それはどういう……」
書き返そうとして慌てて口をつぐむ。
一瞬だけ合った視線はいつもの冷めたもの。
ほら早く次言えとその目が訴えている。
「……いや、何でもない。い、い、ね?」
何だ、これもしりとりの一環か。
紛らわしい事言わないで欲しい。
こっちだって毎日諦めようと努力してるんだから。
その感情を意識させるようなこと、わざわざ本人が敢えて言うなんて、一体何の罰ゲームか。
「えっと……い、い……いでしょ?い、またい?……あっ、椅子っ」
「……好きなんだけど俺、あんたのこと。だから付き合わないか?」
「……」
期待してはダメ。
こんなのただの意地悪だ。
分かってはいるのに『好きなんだけど』と『だから付き合わないか』が脳内で何度も繰り返されてうるさい。
暫しの沈黙の後、漸く発した言葉。
「か、あ、かだよね、か……。えっと、花壇っ……て、ん付いちゃった。はは、負けちゃった」
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