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両親がいないことで、遥は小学校の頃、友達ができなかった。
両親がいないことで、家庭事情が違い、周りの子との話題も合わなかった。
おまけに、流行りの髪型をして散髪して登校したら、一人浮いたようになって、イジメが始まった。
イジメは三年間続いた。
陰湿ないじめだった。
それから遥は―――声を失った。
「そういえば、はるちゃん」
食事を始めて、十分後。町子は不意に遥に訊いた。
遥は唇にハンバーグのトマトソースをべったり付けながら顔を上げる。
「来週のコンサート、行くのよね?アリサちゃんと」
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