27人が本棚に入れています
本棚に追加
誰かが遥の肩を叩いた。
「ねぇ、君」
振り返ると、そこに立っていたのは20代の男だった。
茶髪の、耳にピアスを開けた、軽そうな印象の男。
「今ここに独りでいるの?」
彼は優し気な笑みを浮かべ立つ。その横にもう一人黒髪の同じくらいの男を連れていた。サングラスをかけ、ガムを噛み、見るからに柄が悪い。
遥は答えなかった。
困惑した顔をすると、瞬き。そうして煙たそうな顔をして振り払うようにクレーンゲームの前を去ろうとした。
だが。
最初のコメントを投稿しよう!