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「何って…」
「私たち、ここにお父さんたちと来てるの。パパとママ呼んできましょうか?」
すると、パパとママ、という言葉に腰が引けたのか、チッと呟いて、男たちは。
「行こう…」
背を向けると、睨みを利かせてその場を後にした。
去って行ったのだ。
そうして、「まったく…」と腰に手を当てた女の子、アリサは、「大丈夫?」と遥を振り返って目の前の親友に訊いた。遥は頷いた。そうして、破顔した。
《アリサ、パパとママなんて来てないじゃん》
そう、遥は手話をして見せた。
それを見たアリサは同じように笑う。
「あれには、ああいうのが一番効くんだよ、今度またあんなのがいたらいけないから、遥、ウチから離れない方がいいよ?」
分かった、という風に遥は頷いた。
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