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この日、遥は1日、アリサと共に渋谷を歩いた。お気に入りのトップスやパンツを売る店でポップスやロックの曲をバックミュージックにして二人で選んだり。好きなキャラクターのぬいぐるみを売る可愛らしいお店でグッズを買ったりした。
そうして、最後に寄ったのが、このゲームセンターだった。
ここは、未成年に人気の店だ。プリクラを撮る高校生も多いし、勿論チャラい大人も来る。
約1時間、二人でプリクラを撮ったりクレーンゲームをして遊んでいたが、やがて自分の好きなものを見つけるのに夢中になり、少しお互いに離れた時に、先ほどのようなことが起きたのだ。
遥は声が出ない。
小学校の頃、イジメに合ってから失声症と診断され、それから中学に入って2年目になったが。依然声は戻ってはいなかった。普段のアリサとの会話は、手話だ。アリサの従妹が聴覚障害を持っていたため、アリサは小学生の頃から手話ができた。
「…もう帰る?」
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