桜の季節

僕の家庭

途中で立ち寄った食堂で、春季限定の桜定食を食べてからまた仕事を開始する。この時期だから、果樹園のそばを通ると花が見頃を迎えている。素人には綺麗だと思うだけだが、プロは花を見ただけで種類がわかる。この時期は、人工受粉で体が休まる暇がない。農家にとっては、花が咲くという事は重労働なのだ。農家の苦労から見たら大したことをしてない僕は、気を引き締めて営業を続けるのだ。
今日も仕事を終えたらマンションへ向かった。妻は、スーパーで買った惣菜をテーブルに並べた。僕は風呂入って、風呂上がりのビールを飲んでから晩飯を食べるとテレビを見た。番組の最後に経済ニュースを見てから妻と一緒に床についた。
ある日の朝、妻の体調が優れないので、僕は夕飯の残りを食べてから出勤した。妻は病院行って診察を受けた。結果は妊娠３ヶ月である。その晩、妻から話を聞くと僕は舞い上がった。体調が優れない妻に代わって途中で立ち寄ったスーパーで惣菜を買ってから帰宅するのだ。僕は育児用品を徐々に揃えた。普段使ってない部屋に紙おむつや粉ミルクをため込んだ。