2章

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                                僕はまるで、蛇に睨まれた蛙のようだった。  どうしてあそこにいる警察は、僕の所に来てくれないんだ! 殺されるかも…?  彼女はしばらく僕を見つめていたが、僕の耳元でこう囁いた。 「君がなにも言わなければ、わたしも何もしないよ」 「…」 「本当に怖がってるな~」  それだけ言うと、彼女は立ち上がりまだ座り込んでいる僕をちらりと見た。  そしてまた少しだけ笑うと、するりと家の中へ入って行った…。  僕はしばらくそこから動けなかった。  警察はまだ、すぐそこでうろうろしている。  言った方がいいのか?  でも彼女も辛かったのかな?  家を見上げる、と。 「こら! 邪魔だよ、どいて!」  さっきまで向こうの道路で、何かを探している風な警察の一人だった。僕は慌てて立ち上がる。 言ってしまおうか?この人なら僕の話を聞いてくれるかも?  しかしふと見上げた二階の窓から、あの彼女の顔がちらりと見えた気がして、僕は声が出なかった。
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