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山の上の花を満開に咲き誇らせた桜の木の下に、3人の若武者がいた。
3人共にその身に着けている鎧は傷だらけで、1人は槍に縋り、2人は互いに身を支えあっている。
眼下に見える城は紅蓮の炎を上げて燃え盛り、城の周りでは、彼等を野戦で打ち破った者達と同じ旗指物を背にした者達が 、勝鬨を上げていた。
彼等を打ち破った者達とは別な者達であろう。
槍に縋っていた若武者が槍を手放し、その場で胡座をかき、鎧を脱ぎ捨て諸肌を脱ぎ脇差しを手にする。
裂帛の声を上げ脇差しを左脇腹に突き立て、真一文字に腹を切り裂き、右脇腹に達した脇差しを抜き、臍の下に突き立て、上に向けて一直線に切り裂き心の臓を傷つけた。
それでも息のある彼は脇差しを持ち直し、首の頸動脈を切り裂き事切れる。
前のめりの格好で息絶えた友を見て、身体を支えあっていた2人の若武者は顔を見合わせ共に頷き、その場に胡座をかき鎧を脱ぎ諸肌脱ぎになり刀を手にして、友の後を追う。
3人の若武者の為なのか、桜の花弁が、ハラリ、ハラリと涙するように散り落ちて、3つの骸を花弁で覆い隠していった。
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