第1章 運命の出逢い

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第1章 運命の出逢い

真っ青な空。 病院の屋上から見える空は、今日も快晴。 もうすぐ春がやってくる。 程よい風とまだちょっと冷たい空気。でも、気持ちいい。 僕は、1ヶ月前この病院に入院して来た。理由は、全身打撲と右足の骨折だ。全治3ヶ月の大怪我だった。僕は、スノーボーダーだ。1ヶ月前、大会1週間前の練習中に誤って、5m上空から落下。大怪我を負った。一時は意識も不明…。両親は、とても心配したらしい。しかし、運よく大怪我だけで済んだのだ。僕は本当に運が良いんだなぁとつくづく思う。 今日は、看護婦さんの許可も下りて、病室から出て良いとのこと。 「ラッキー!もうベッドの上の生活も正直飽き飽きしていたんだ。」 僕は、相棒〝勇気〟をギュッと抱きしめ、高いところに行きたいと思った。 「そうだ、屋上に行ってみよう!ねぇ、看護婦さん、屋上にはどうやって行ったらいい?」 看護婦は言った。 「8階のナースステーションを右に曲がって、まっすぐ行ったらドアがあるから、そのドアを開けたら屋上よ。でも、危ないから…」 「ありがとう!」 「ちょっ…」 僕は、車椅子を押しながら、何かワクワクする気持ちを抑えきれずにいた。 ピンポーン。     
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