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唯は、口にチーズケーキをちょっとこぼしてしまった。
「唯ちゃん、口にケーキ付いてるよ。」
そう言って、立花先生は、唯の口にキスをした。
…へ?…今何が起こったの?
唯は、茫然としてしまった。
「俺、唯ちゃんが好きなんだ。だから、キスしただけ。」
「や、冗談やめてよ、先生。先生は、先生じゃない。」
「唯ちゃん、僕も男だよ。唯ちゃんが気づいていなかっただけ。返事はいつでもいいからね。」
「私は…!」
「ずっと待ってられるからね。じゃあ、僕は帰るよ。また、来週。」
そう言って、上着を着て帰る支度をし始めた。
「先生、ちょっと待って…!」
立花先生は、何も聞いていないかのように淡々と帰り支度をして、じゃあと手を振って帰って行った。
「私はどうしたらいいの…。」
唯は、そのまましばらくボーッとしてしまった。
一方悠は、またいつものように屋上に向かっていた。胸をワクワクさせながら。
唯は、ハッと気が付いた。時計を見た。
時間の針は、もう4時半を過ぎていた。
「もうこんな時間じゃない!…悠くん、もう居ないわよね。」
唯は、ベッドの上で落胆していた。
初めて約束を破ってしまった…唯は、罪悪感と動揺の気持ちで胸が張り裂けそうだった。
「胸が苦しい…。」
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