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8階に着くと、ドアに向かって気持ちが高鳴るのを感じる。
ドアを開けた。
そこには、1人の女の子が先に立っていた。僕とちょうど同い年くらいの少女だった。
「あっ…」
彼女はそんな表情で僕の顔を見た。
僕もそんな感じだった。
その瞬間、僕は心臓がバクバクしているのを感じた。彼女は、スラッとしていて、髪が少し明るめの色をしたロングヘアーだった。風がフワリと吹いて、髪が彼女の頬をかすめた。
「あなた、骨折してるの?」
「へ?あぁ、ちょっとね。君は?」
「私は、産まれてからずっとここがおうち」
「へ?それってどういう意味?」
「私、重い心臓病なの。だから、学校にも行ったことないし、運動もしたことないの。」
「…そうなんだ。なんか、変なこと聞いちゃってごめんね。そんな深刻な話を…」
僕は、そのあとなんて言っていいのか、わからなくなってしまった。
「どうしたの?あなたも、この青い空を見に来たの?」
「あぁ、そうなんだ、やっと看護婦の許可が下りてさぁ!病室って息苦しいんだよね。あ、ごめん。君はそんな病室にずっといるんだもんな。」
僕はつくづく鈍感なやつだ。彼女の気持ちも察しないで…。
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