第1章 運命の出逢い

2/3
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
8階に着くと、ドアに向かって気持ちが高鳴るのを感じる。 ドアを開けた。 そこには、1人の女の子が先に立っていた。僕とちょうど同い年くらいの少女だった。 「あっ…」 彼女はそんな表情で僕の顔を見た。 僕もそんな感じだった。 その瞬間、僕は心臓がバクバクしているのを感じた。彼女は、スラッとしていて、髪が少し明るめの色をしたロングヘアーだった。風がフワリと吹いて、髪が彼女の頬をかすめた。 「あなた、骨折してるの?」 「へ?あぁ、ちょっとね。君は?」 「私は、産まれてからずっとここがおうち」 「へ?それってどういう意味?」 「私、重い心臓病なの。だから、学校にも行ったことないし、運動もしたことないの。」 「…そうなんだ。なんか、変なこと聞いちゃってごめんね。そんな深刻な話を…」 僕は、そのあとなんて言っていいのか、わからなくなってしまった。 「どうしたの?あなたも、この青い空を見に来たの?」 「あぁ、そうなんだ、やっと看護婦の許可が下りてさぁ!病室って息苦しいんだよね。あ、ごめん。君はそんな病室にずっといるんだもんな。」 僕はつくづく鈍感なやつだ。彼女の気持ちも察しないで…。     
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!