第6章 お互いのこと

2/4
前へ
/29ページ
次へ
悠は、ずっと真剣に聞いていた。悠には、そんなことを笑いながら話す唯が、わからなかった。 理想の家庭のようだけど、どこかぎこちないような…自分の親とはちょっと違ったからだった。 「悠くんのうちは、どういう家庭なの?」 唯が聞いた。 「うちは、親父も元スノーボーダーだったんだ。でも、致命的な怪我が理由で、選手生命を諦めた。それで、俺は4歳の頃からまずスケボーから始めたんだ。まぁ、買い与えられて、無理矢理やらされたようなもんだけど 笑 最初はやる気が無かったみたいなんだけど、自分で言うのも変だけど、運動神経だけは良くて、どんどん滑れるようになってさ、兄貴もやってたから、絶対追い抜きたいって無意識にライバル視してたんだよな~たぶん。 母さんは、毎回お弁当を作ってくれて、大会には必ず家族で応援しに来てくれたな。俺がやりたいことは、何でも自由にやらせてくれた気がする。ピアスを開けた時も、全然怒らなかった。ほら、空いてるだろ?」 あまり自分のことはしゃべならない俺だけど、唯の前では、どんどんいろんなことを喋ってしまう。 「へぇ~お父さんも、スノーボーダーだったんだ。親子で同じなんて、凄いカッコいいね!じゃあ、悠くんがお父さんの夢なんだね。」 「そうかもなぁ。」     
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加