2人が本棚に入れています
本棚に追加
第7章 ライバルからの戦線布告
中庭についたとたん、立花はこう切り出した。
「さっき、彼氏だって言ってたよな。まだ最近知り合ったばかりなんだろ?それで彼氏ヅラか、ガキが。」
「何っ!」
悠は、立花の胸ぐらを掴みかかろうとしたが、足に痛みが走ってしまった。
「ほらほら、無理すると怪我が長引くぜ。まったく、お子ちゃまはすぐカッとなるから困るよな。」
悠は必死で耐えていた。何を言われても、唯の為に耐えていた。
「あんた、ところで誰なんですか?唯より随分年上そうだけど…。」
悠は聞いた。
「僕は、唯ちゃんの家庭教師だよ。5年前からほとんど科目を見てる。医学部でね、将来は一応医者を目指してるのさ。」
そう自慢げそうに悠を直視して、立花は言った。
「医者…じゃあ、将来は、唯の病気も治す気でいるのか…?」
立花はこう切り出した。
「唯ちゃんとはどこまで行ってるのか知らないが、僕はこの前彼女にキスをした。好きだと告白した。返事はまだ貰ってないけどね。だけど、いずれ唯ちゃんが必要になるのは、僕だよ。僕が医者になって、絶対彼女を助けてあげてみせるよ。君には何がある?」
悠は、何て答えていいかわからなかった。
ただ、これだけは言えた。
最初のコメントを投稿しよう!