第7章 ライバルからの戦線布告

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「唯をいつも笑顔にすることはできる。唯の知らない外の世界を教えてあげることができる。そんなことくらいしかできないかもしれないけど、最終的には、唯が決めることじゃないですか?とやかく、俺らが決めることじゃない!唯の気持ちが一番大事だ。あんたは、ただのエゴだ!」 悠は、強く言い放った。 「へぇ~随分強気だね。まぁ、まだ若いし、そのぐらい元気があっても良いか。 僕は、この前屋上で、唯ちゃんと二人で居るところを偶然見かけたよ。唯ちゃんは、きっと君の前では無理をする。唯ちゃんにはそんなことをして欲しくないんだよ。生きているだけで奇跡なんだ、普通の子とは違うんだよ。」 悠は言った。 「唯は覚悟してると思いますよ。一瞬一瞬を楽しみたい。それが伝わってくるんですよ。唯は本当は普通の子と同じですよ。恋もしたいし、スポーツもしたい。でも、それを俺の夢に重ねることで、必死に自分を抑えてるんですよ。わかってないのは、大人達でしょ!」 そこへ、唯がやって来た。 「こんな所に居たんだ、二人とも。二人とも、揉めあってるみたいだけど、ここは病院だからやめて。それに…立花先生には、ちゃんと言ってなかったけど、私彼氏が出来たんです。彼です。凄く優しいし、私を凄く大事にしてくれてます。返事、ずっと待ってくれるって言ってくれたけど、私にはそんな気を持たせることはできません。ごめんなさい。 立花先生とは、これからも先生と生徒の関係で居たいです。だめですか…?」 唯は泣きそうな顔で、必死に訴えた。     
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