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「そんなに彼が好き…?」
「えっ?」
「5年前から唯ちゃんを知ってる僕より、最近知った彼が好き?」
唯は一瞬戸惑ったが、ゆっくり言葉を噛みしめるように言った。
「時間じゃないです。私たち、この病院で、近い日に産まれて、イニシャルも同じで、何か運命を感じるんです。ただ、好きって気持ちだけじゃないんです。奇跡みたいなものを感じるんですよ。」
「そっか。そこまで言われたんじゃあ、今日の話はここまでだな。でも、見ててくれよ。俺が医者になるのを。唯ちゃんへの気持ちは変わらない自信があるから。」
「立花先生…」
「悠くんだっけ?約束しろよ!絶対唯ちゃんに無理はさせないって。」
「はい、絶対に。」
じゃあな、と片手を上げて帰って行く立花先生。
悠と唯は、顔を見合わせた。
「唯、カッコ良かったよ 笑 唯も言う時はハッキリ言うんだな。」
「私はもっと悠くんにバシッと言って欲しかった。」
「あれ以上、どうバシッて言うんだよ。これでも結構頑張ったんだぞ。」
「そうだよね、悠くんしっかり言ってくれてた…ありがとう。」
悠は、唯をぎゅっと抱きしめた。
唯は、先生、わかってくれたかな…とちょっと不安だったけど、信じるしかなかった。
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