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「平気よ、大丈夫。私、病院以外知らないし、逆に学校とかどんなところか知らない。それにね、毎日病室に勉強を教えてくれる先生が来てくれるから、楽しいわよ。私、勉強大好き!」
彼女の笑った笑顔が、僕のハートに突き刺さった。
「じゃあ、良かったね。お、俺は勉強は苦手だからさ。体育と理科くらい?笑」
「そうなんだぁ。でも、羨ましい。」
その時、ドアが開いて、看護婦さんが
「唯ちゃ~ん、そろそろ風邪引くから、病室戻りましょう!」
「はーい!じゃあ…あなたの名前は?」
「悠(ゆう)…。」
「そっかぁ、じゃあ、ゆうに、ゆい一文字違いだね。」
「そうだね。凄い偶然。」
「ほんと 笑」
「今日は、久々にお話しできる人ができて楽しかった。また、会えるといいな。」
それは、僕のセリフ。でも、照れ臭くて返す言葉に困った。
「また、すぐ会えるよ!風邪引かないようにね。」
それが僕の精一杯の返事だった。
まさか、これが本当に運命の出逢いになるなんて、この時の僕は想像もしていなかった。
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