第2章 必死なリハビリ~冬は必ず春となる

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まずは、車椅子から下りて、鉄棒に移る練習。 こんなの簡単だろうと思っていた。よし、やってやる。 「よし、じゃあ、悠くん、まずは腕に力を入れて鉄棒に移ってみよう。」 「はい、やってみます!」 …あれ?上手く腕に力が入らない。確かに棒は掴んでいるのに、身体を上げることが出来ない。 「そうだよね、やっぱりいきなりは難しいかもしれない。でも、悠くん、君ならできる!もう一度、チャレンジしてみるんだ。」 山本先生は言った。 「はい、もう一回やってみます。ぐうっ!」 僕は、もう一度鉄棒を強く握りしめ、身体を上げようと踏ん張った。山本先生も頑張れ!という顔をしてくれてるのが分かった。 …すると、何とか鉄棒に移ることができた。 「悠くん、やったね!よく頑張った。」 僕は、凄くホッとした。でも、こんな立ち上がるだけで、汗が額を流れて行った。こんなにも腕の力が無くなっているとは…。ちょっと、残念な気持ちになった。 「先生、僕本当に歩けるようになるんですか?ましてや、スノボなんて…。」 僕は、少しだけ弱気になった。 山本先生は言った。 「何を言ってるんだい、悠くん。まだ始めたばかりじゃないか。大丈夫、絶対歩けるようになるよ。」 先生は確信めいた目をしていた。 僕は半信半疑になっていた、その時、 「悠くん!頑張ってる?」 どこかで聞いたことがある声がした。
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