第3章 ファーストキス

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第3章 ファーストキス

僕は、今日もリハビリに励んでいた。 今日は、ダンベルで腕の筋力を戻す練習と鉄棒を使って歩く練習の続き。 段々、コツを掴んできて、歩けるようになって来た。 そして、16時には、唯との会う約束。そう思うと、より一層リハビリにも力が入った。 「悠くん、段々と上手くなってきたじゃないか。その調子だよ。」 山本先生も僕の順調な回復ぶりに、終始笑顔だった。 一方、唯はというと…病室は301号室。そこでは、家庭教師の先生との勉強が始まっていた。 先生の名前は立花先生。大学院生で、アルバイトとして唯の家庭教師をしている。 「さぁ、今日は唯ちゃんの好きな英語をやるよ?あと苦手な数学もね 笑」 「あ~あ、何で私ってこんなに数学が苦手なんだろ…。先生、今日は英語だけにしない?」 「ダメダメ、数学も頭の体操になるよ?」 「そりゃあ、立花先生は医学部だから、数学得意だろうけど…。私は、英語を使って、いつか海外に行きたいなぁ。それで、外国人の友達をいっぱい作るの!それが私の夢。でも、私には絶対難しいけどね。」 「そんなことないよ。言っただろ?いつか僕が医者になって、唯ちゃんの病気を治してあげるよ?って。」     
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