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小さな願い
夜になるとドールは写真館を抜け出し魔女の森へとむかった。
「…」
「こんな夜中に何か用か?」
「…」
声の無いドールは無言でガラクタの中から集めたものを差し出した。
「たったこれっぽっちじゃ願いを叶えるわけにはいかないよ」
「…」
それでも声の出ないドールは必死で目で訴えた
「しょうがないね…
じゃあ30分だけだよ。それから魔法がかかっている間は絶対に月を見てはいけないよ。月を見てしまったらおまえごと消えてしまうからね」
魔女がそういうとドールの身体は急に暑くなりました。
恐る恐るドールは声を出そうとしてみるけれど今まで声を出した事のないドールはどうしたらいいのか分かりません。
最初は空気の抜けるような音しか出なかったのが段々鳴き声になっていく
そうだ、僕には時間がない
写真館に向かって走り出した
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