プロローグ

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プロローグ

 ……僕は何でこんなところにいるのだろうか。  僕は両親に売られた。お金がないから、僕を僅かばかりのお金で売ったのだ。  今まで信じてきた人たちに裏切られ、そしてここでの生活。僕の心はボロボロだった。  精神医に診せれば、僕の心は重度の精神病と診断されるぐらいだろう。それぐらいまで僕は追い詰められていたのだ。  そして今、僕は奴隷として売られている。  両親に売られるまで、この世界に奴隷と言う存在があることを知らなかった。人間であるけど、人間扱いされない。  それが奴隷。僕は奴隷として生きている。  とても……とても悲しい。出来る事なら僕を殺してほしいと心の底から思う。  そう思いながら何日も経ったが、僕を買ってくれる人はいない。このまま売られなければ僕は殺される。それでも良いと思っていた。  だけど――
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