第四章 青年期【上】

4/20
234人が本棚に入れています
本棚に追加
/225ページ
 なんでもいいと言われても、好みの物じゃなかったらそれはそれで嫌な顔をされる。実際にアベルさんがそうしたからだ。それで一度、母さんがアベルさんをボコボコにしていたのは今でも忘れられない。あの時は本当に怖かった。  しかし、本当になんでもいいのなら、あえて簡単な料理をしようか。それとも逆に凝った料理をしようか、悩む。 「はやくはやく~」  椅子に座って僕が作る料理を今か今かと待っている。  何だか最近、母さんの精神年齢が低下してきているような気がする。どうしてだろうか。
/225ページ

最初のコメントを投稿しよう!