第一章 少年期【上】

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 刺さっていた刃物は市場に出回っていない代物だった。人の肉を抉り、血を吹き出させる形をしたもの。こんなものがまだあったのかと感心してしまう。 「相手は死にかけのクソアマだぞ! 早くそいつで殴れ!」  男の一人が木の影に隠していたハンマーを持ち出してきた。それで殴られたら痛そうだな。呑気にそんなことを考える。
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