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「化け物は人間によって倒されなければいけない。それは神代から西暦に入っても同じく、等しい決まりだ。私は化け物、人間によって殺される運命だが、お前たちでは役不足だ。三流……いや、四流ぐらいか」
私だけが一方的に話すので、怯えた男たちが話すことも出来ずにいる。情けだ、最後ぐらいは話させてやろう。
「何か話さないのか? もうすぐ死ぬのだから、最後の一言ぐらいは許してやるぞ?」
最後の声を話させる為にしばらくの間待つ。その間に力を溜める。
「な……なんであんたみたいな化け物が母親ごっこをしてんだよ……?」
震えた声で一人の男が話してきた。最後の最後で私に質問してくるとは度胸があるな。
でも暇つぶし程度に教えておいてやろう。
「化け物だからさ。化け物は泣きたくないから化け物になった。けど、化け物になっても泣くことがわかった。それを埋める為に、私は息子を持った。それだけさ」
「化け物のあんたが、何でこんなところにいるんだよ……!?」
「監視、もとい隔離されているんだ。だからあんなド田舎にいるんだよ。誰が好き好んであんな場所で住むか」
そろそろ頃合いだな。こいつらも覚悟は出来たようだし、せめて苦しませずに殺してやろう。
「なんで俺たちを殺すんだ……!?」
決まりきったことだ。それはお前たちもよくわかっているはずだ。
私がお前たちを殺す理由、それは――
「私の息子に手を出したからだ」
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