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■ノア■
「……うっ」
目が覚めた。ここはどこだろうか……
……見覚えのある天井。僕の部屋の天井だ。と言うことは、ここは僕の部屋で……
体を起こすと、僕が寝ていたのは僕のベッドの上だと言うことがわかった。
あれは夢だったのだろうか……。でも、はっきりと思い出せる。あの人たちの顔を、あの声を、そして……袋に入れられたことを……
確認する為に急いでリビングに向かう。もし、夢でなければリビングは荒らされているはずだ!
リビングの扉を開けて、中を確認する。
「おや? ノア、起きたのか?」
お母さんが台所で料理をしていた。
周りを見回しても荒らされた形跡はない。どうやらあれは夢だったようだ。
安心したので、ホッと息が出る。
「なに慌てているの? もうすぐ御飯だよ。顔でも洗ってきたら?」
「あ、お母さん……いつの間に帰ったんですか……?」
「うん? ついさっき。ノアはテーブルの上で寝ていたから運んであげたよ。そして私は料理の最中」
「………………」
下を向く。
お母さんが帰ってきてくれたのは嬉しいけど、何の役にも立てなかったことが悲しい。せっかく一人の時間があったのに……
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