第一章 少年期【上】

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 その靴は僕の足のサイズにピッタリだった。そして、履きやすかった。 「おお! まさか靴一つでこんなにもかっこよく見えるなんて……。人間、身だしなみが大切だって言うけど、靴までは気が回らなかったなぁ」  カッコイイ……のかな。僕にはわからない。  わかることと言えば一つ。とても嬉しいことだけだ。  新しい靴を履いて家中を歩き回る。新しい靴は僕の足にピッタリと合っているので、とても歩きやすい。最高のプレゼントだ。 「ありがとうございます、お母さん!」  僕は今出来るだけの満面の笑みを浮かべてお母さんを見た。それを見たお母さんは本当に嬉しそうな様子で僕に微笑んでくれた。 「……カッコイイよ、ノア」
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