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 レイリは毎日、前日の複製の内容をコルエラに話した。当日の複製の内容は二度目の確認が終わるまで復習を禁止されていたので、話したくても話せない。 「昨日は応急処置とか薬草のこととか習ったんだよ。今度コルエラが怪我したら手当てしてやるよ」  嬉しそうに話すレイリを見て、コルエラ自身も嬉しい気持ちになった。近頃レイリはとても元気だ。  ディラインの家に遊びに行くようになってから、レイリは少し明るく逞しくなったようにコルエラには思える。  ディライン以外の騎士とも交流があるらしい。良い傾向だ、とコルエラは思う。たくさんの人間と接して、色々学んで欲しかった。  研究中は今年入ったばかりの学校へ行けなかったのだが、寂しい思いをしていないようなので安心した。 「明日から術法の複製だな」  コルエラはその指導に当たれない。バートがレイリとディラインの二人を同時に指導することになっている。  大事な自分の仕事を取られて、コルエラは幾分辛かった。しかし全ての術を複製する訳ではない。二か月間で初歩的な術を四つ、少し高度な術を三つ憶えるのだ。     
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