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13
コルエラはレイリをベッドに運びどうしたのかと尋ねたが、レイリは一言も口を利かなかった。
つむった双眸からは絶えず涙が滴り落ちる。ディラインと会えなくなるのが辛いのか、術が使えないのが辛いのか、間を置いて静かに聞いても答えない。
記憶の複製の副作用で精神の均衡を崩したのではないのかとも思ったが、レイリが何も言わなくてはどう判断することもできなかった。
体調が悪いだけならこんなにも泣いたり口を利かなかったりはしないだろう。では何故、レイリはこうも苦しんでいるのか。
そしてコルエラはふと気付く。レイリが自分の顔を見たがらないようではないか。不安そうなのに、自分にすがろうとしない。自分を避けてはいないか? 自分は、頼りにされていないのか?
コルエラは朝までレイリの手を握り、顔を見つめていた。自分は間違っていたかと、心の中で何度もレイリに尋ねた。
眩しい気がしてレイリが目を覚ますと、開いた窓から早朝の日差しと鳥のさえずりが入ってきていた。
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