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 窓を閉め忘れて寝てしまったと慌てて起き上がると、ベッドの横でコルエラが壁にもたれて眠っていた。しかしすぐに衣擦れの音で目を覚ます。身を起こし、レイリの額に手を当てた。 「大丈夫か?」  それでレイリは、昨日のことを思い出した。うなずくと毛布の上にぱたぱたと涙が落ちた。コルエラに、迷惑をかけてしまったことが悔やまれた。 「今日は休もうな。俺も休むから」  レイリは休みたくなかった。もっともっと勉強しなければならない。しかし返事の代わりにまた涙が出る。 「どうした? 気分が悪いか」  レイリは俯いて首を振る。何て言おう、何て言おうと一生懸命考えた。コルエラはベッドの下に膝をつき、レイリを見上げて優しく肩を撫でる。 「術が」  レイリはやっとそれだけ答えた。こんなに涙が出るのは術が使えないからだけではなかったが、それは言うことができなかった。  コルエラはベッドに腰をかけて、レイリを膝に抱き上げた。 「ヴェラルダに言われなかったか? 小さいうちはあまり術は使えないんだよ。お前、調理も複製してもらったけど、調理器具が大きくてちゃんと使えなかっただろう? それと同じで、小さいからできないことなんだよ。大きくなれば、きっとできる」  レイリはコルエラを見上げた。 「できなかったら?」     
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