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「本当ならレイリにはもっと協力して欲しいんだがな」  副長はレイリを見たが、レイリはずっと下を向いていた。 「ただでさえ優秀なんだろう? コルエラお前、複製以前に色々と教え込んでもよかったんじゃないのか?」  それは、敢えてやらなかったことだった。レイリには術の勉強ばかりをさせたくなかった。 「レイリは五歳のときから術の勉強しています。急いで教える必要はないでしょう」  その時。下を向いていたレイリが、覇気のない声でつぶやいた。 「おれは、もっと勉強したかった」  コルエラは愕然として傍らのレイリを見た。レイリの言葉が、すぐには理解できなかった。副長が、溜め息をつく。 「状況はちょっと違うが、まぁよくある話だな。親が自分の子供時代を我が子にやり直させるというのは。子供の為と言っても、子供には苦痛だったりするもんだ」  コルエラは何も言えなかった。確かに、自分と同じ苦しみを味わせないよう、自分が望んだ子供時代をレイリにさせてるのかも知れない。しかしそれを不満に感じるとは、考えもつかなかった。 「今後はもっと、レイリの能力を考えて教育することだな」  副長はその場を去る。バートも無言で研究へと戻っていった。     
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