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 帰り道、レイリはコルエラに何を言われるか不安な気持ちで待った。だか、コルエラは何も言わなかった。そっと顔を見上げる。怒った顔ではない、動揺しているようだった。  レイリは何を言われるのも恐い気がした。想像がつかない、想像したくない。 「ディラインの家に行ってくる」  騎士官宿舎が目に入り、レイリは逃げるようにそちらへ駆けだした。  走るレイリを、コルエラは呼び止められなかった。自分の言葉が全てレイリを傷つけるような気がしてならなかった。  レイリが宿舎に向かうとディラインは出掛けるところだった。声をかけようと思ったが、ためらわれる。  それで無言で追いかけたが、すぐに気付かれた。しかし少し振り向いただけで、ディラインは再び歩きだす。それでもレイリはずっとついていった。ディラインに何か言って欲しかったのだ。  ディラインは小さい森を抜け小川で歩を止めた。しばらく川を眺めて、ようやくレイリに顔を向ける。 「何だ」 「おれも、もう複製やらないんだ。術が使えないから」  やっといい言葉が浮かぶ。ディラインと自分は同じだということを伝えたかった。ディラインは小川に視線を戻す。 「お前は何が不満なんだ。賞賛されているのに自分を駄目だと言うなら、俺の立場はどうなるんだ」
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