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19
コルエラが目を覚ますと、枕元で両腕に顔を埋めてレイリが眠っていた。コルエラは途端、胸を締めつけられるような感覚に襲われた。
バートにディラインを任せてレイリと家まで戻ってきたのは憶えている。医者を頼んで、それからのことは記憶になかった。
レイリにどれだけ心配をかけたのだろう。
レイリをこのままの姿勢で寝せるのも可哀想だと思い、声をかける。レイリは起き上がると、
「大丈夫? 痛い?」
と、震える声で聞いてきた。
痛みは全くなかった。ただ全身が極端に怠いだけだ。笑顔で答えると、レイリも小さく笑い返した。
ディラインはバートの家に運ばれたそうだ。その後のことは判らないらしい。そしてそれに至る以前、ディラインとの間にあったことを報告してレイリは、再び震える声でつぶやいた。
「おれが、全部悪かったんだよね。ディラインに悪いこと言ったんだ」
「それは違うだろう」
レイリは昨日の件の責任を感じている。
ディラインがレイリの言葉に多かれ少なかれ傷ついたのは事実であろう。大人が子供と比較され劣ると告げられれば、どうしてもやりきれないものがあったはずだ。だがそれは、レイリが悪い訳ではない。
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