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その後騎士官と術士官の間で責任の追求がなされたが、原因は術士側だが問題を起こしたのは騎士だということで、何者も咎めないという事に落ち着いた。
しかし、記憶の複製は再度なされるらしい。問題があっても術は使えると証明されたからだ。
ただ同じ問題を繰り返さないよう重々注意すると言われたことだけが、コルエラには救いだった。
一週間後、コルエラはディラインを見舞いにバートの家を訪れた。
ディラインはバートとその家族の看病の甲斐あって、精神的にもかなり落ち着いたらしい。コルエラに何度も謝罪を述べ頭を下げたが、コルエラは自分には謝らないでくれと言った。
ディラインが『どうだっていい』と言ったように、コルエラもあの時、レイリの気持ちに気付かなかった自分が許せず、自分の身などどうでもよい気分だったのだ。
だからわざと風の刃に身を晒し、自分に回復の術をかけなかった。
しかし今では後悔している。レイリに二度とあんな心配をかけたくない。
「レイリにも謝りに行って、いいですか? 私はレイリに会う資格はないでしょうか」
ディラインは控えめに尋ねる。やはりこの青年は誠実なのだとコルエラは思う。
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