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「君がレイリと会いたいと思うなら、伝えておくよ。レイリも君が自分と会いたくないのではと気に病んでいたんだ。伝えたら自分から来るかも知れないな」  帰り際ディラインはコルエラに、隣国に渡り魔法の勉強をすることに決めたと告げた。身体が落ち着くまでにできるだけ語学を身につけ、記憶の複製の報酬を勉強の資金に当てるそうだ。 「やはり中途半端は嫌でしたし、それに、できることならレイリと対等になってみたい」  そう言ってディラインは、穏やかに笑った。  ディラインは魔法を修めた後、魔術士官という新たな地位を得ることになる。  術士は長い時間をかけて、術の書の頁を繰る。  時にはその途方のなさに耐えきれなくなることもあるかもしれない。またその書物の訴えるところが理解できず、自分の能力を疑うこともあるだろう。  しかし苦しむことも必要なのだと、コルエラは思う。  苦しさは、自分では気付かない場所の負荷の警告なのだろう。負荷を見過ごせば大変なことになる。  苦しいときには立ち止まり、自分と周囲を冷静に顧みるのだ。負荷に耐え抜いて事を成すか、休息を得て新たな気持ちで進んでゆくか、考えて選択する。そうして、何かを得ていくのだ。  レイリは正式にコルエラの息子となることを強く望んだ。     
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