綺麗になんてなれない

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 奥の奥をがつがつと突かれて、己の深い部分で快楽はどんどん膨らむ。先端の太い部分で、少し入ったところをぐりぐりと擦られれば、抑えることなどとてもできない。  臨界点に達した熱にぶわっと包まれたあとは、一瞬だった。  びくっびくっと震えた気がするけど、それらの出来事は遠い意識の向こう側。私はただ、身の内側でふわふわとたゆたう心地よさに身を委ねていた。  ぺちぺちと頬を叩かれる感触に、はっと意識を取り戻した。 「あ、ごめ、ぼーっとしてた……」 「いいけど。いつものことだし」  行為のあとの、そっけない義之に戻っていて、私は少しがっかりした。 「シャワー浴びる?」  義之は、脱ぎ捨ててあったTシャツで汗を拭きながら振り返る。私は枕元の時計に目をやってから、首を横に振った。実家暮らしの女子大生には門限があるのだ。 「時間ないから。メイクだけ直す。洗面台借りていい?」 「ん。俺シャワー浴びてるから、準備できたら勝手に出てって。鍵そのままでいいから」 「分かった」  シャワーの水音が聞こえてきて、義之が浴室に入ったことを確認してから私は洗面所に入った。お互いの裸なんてもう何度も見ているから今さらだけど、やっぱり日常の中で見るのは恥ずかしさが違う。  私はメイク道具を置かせてもらっている洗面台の下の戸棚を開けた。     
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