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なんの構えもなく呆けたまま、義之の好きなようにさせていたら、破瓜のとき以来の強烈な痛みに襲われて、勝手に喉から悲鳴がほとばしった。
私に覆いかぶさって下を向いたまま腰を進めていた義之が、ピタリと動きを止めた。
非難するために声を上げたわけではないけど、あんな声を出したら、さすがに謝ってくれるのだろうか。
それともさらに続行して、私が濡れるように愛のない愛撫でもする?
選択権などとうに失った私は、ただ黙って義之の次の行動を見つめていた。
義之の行動はどちらでもなかった。
彼はそのままじっと動かず、私はただ彼の反応を待っていて、二人だけの狭い部屋に重苦しい沈黙が降りた。
この重たい無音の間を、私はどうしたらいいのだろう。
義之はいったいなにを望んでいるのだろうか。
セックスだけしていればいいというなら、勝手に続ければいい。
セックスもいらないなら、私を部屋から追い出して。
少しでも心を開いてくれるなら――きっと彼は謝罪してくれるはず。
義之の意思に従うしかない私は、彼から動いてくれるのを待つしかないのに……なにを思っているの?
なすすべもなく、じっと俯いた義之の頭頂部を見つめていると、震えるような呼吸音がかすかに聞こえるのに気がついた。
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