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俺は何故か彼女の事を聞けば聞く程・・彼女のとんでもない一面に妙に興味を惹かれた。 「・・まさか、日本語が話せないとかないよね?」 俺は俄に湧いた疑問を口にした。 「それはないと思いますけど・・沢口美桜って名前からして日本人なのは間違いないと思いますよ。・・あ・・でも、彼女の事、良く知りませんから・・わからないです」 沢口美桜・・それが彼女の名前だった。 確かに名前だけ聞くと日本人に間違いなさそうだった。 俺は昼休み彼女を探す事にした・・探すといっても今日、転校して来たばかりの俺には校内の事は何も分からなかった。 山崎さんにそれとなく校内の配置を聞くと・・彼女は赤い顔をして案内を買って出てくれた。 俺は丁寧に断って特別教室の大体の場所を聞いて教室を出た。 俺は彼女を探すに当たって・・いろんな事を想定してみた。 彼女は日頃、授業をサボるような事はなかったって事だった・・だとしたら・・彼女は故意に授業をさぼったんじゃなくて・・さぼらざる得ない事情があったのかも知れない。 例えば具合が悪くなって保健室に寝てたとか・・そう思って、先ず俺は保健室に向った。 残念ながら彼女は保健室にはいなかった。 保健室を出て直ぐ時計を見ると昼休みが既に半分くらい過ぎていた。 馴れない校舎内のせいで思ったより移動に時間がかかってしまってた。 時間がない・・闇雲に彼女を探しても昼休みの間に見つけられそうな気がしなかった。 ――!・・そうだ・・本・・彼女は本を持っていた・・図書室か? 俺は急いで図書室へ向かった・・保健室から図書室はかなり離れた場所にあった。 ほぼ、全速力に近いスピードで走った。 幸いにも各学年のクラスのある棟とは違う棟だった為、殆ど他の生徒に会う事はなかった。 お陰で廊下を走っても誰に咎められる事もなかった。 俺は息も切れ切れに図書室のドアを開けた・・――!うっ・・・・そこにいたのは・・光の中で眠る・・・天使だった。 彼女は図書室の隅っこで気持ち良さ気に眠ってた。 昼休みも終わりに近いせいか図書室には彼女意外、誰もいなかった。 机の上に広がった金色の髪が日の光に照らされて・・眩しい程、輝いてた。 透き通るように白い肌は日に当たって頬がほんのりピンク色に色付いてて・・閉じられた瞼を覆う睫毛も金色で・・唇は赤く・・・俺の知る誰よりも綺麗で愛らしかった。 もし・・この世に本当に天使がいるなら・・こんな感じかも知れない。 俺は柄にもなくそんな事を思ってしまってた。
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